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歯と周囲の環境に作用するフッ化物
≪ 質問 ≫
子どものむし歯予防にはフッ素がいいと聞きました。
フッ素はなぜむし歯予防に効果があるのでしょうか?
また、効果の高い使い方を教えてください。
≪ 回答 ≫
むし歯は、むし歯の原因菌が出す酸に歯が溶かされることで発生しますが、
フッ化物には、これを防ぐ二つの大きな働きがあります。
むし歯予防に有効な二つの効果
一つ目は、歯そのものに対する働きです。
フッ化物が作用することで歯自体を強くします。歯の表面はハイドロキシアパタイトと呼ばれる成分でできていますが、フッ化物が歯の表面に作用することで、より酸に溶けにくいフルオロアパタイトに変化します。歯の表面が、むし歯菌が作る酸に対して強い抵抗性を示すようになります。
二つ目は、歯の周囲の環境に対する働きです。
フッ化物が、むし歯の原因菌が出す酸の量を抑えたり、一度酸で溶けた歯の表面を修復する再石灰化を促進したりすることで、むし歯になりにくくなります。フッ化物によるむし歯予防は家庭でできるものとして、歯磨き剤、洗口液、ジェルなどがあります。年齢によって適切な濃度や使い方がありますので、歯科医院で指導を受けた方が良いでしょう。また、歯科医院では、フッ化物歯面塗布を行っています。これは、濃度の高いフッ化物を歯の表面に塗る方法で、乳歯が生え始める1歳ごろから永久歯に生え変わるまでの間で3、4ヵ月に一度、繰り返し塗布することで予防効果が高まります。ただ、フッ化物を使ったからと言って、絶対むし歯にならないというものではありません。正しい歯磨きや生活習慣を整えることが基本です。詳しいフッ化物の利用方法については、かかりつけの歯科医院にご相談ください。